やましいたましい

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ボブディラン愛あふれてるはずのTHE BITE(バイト)のデビューアルバム。



めっちゃボブディランやん!

THE BITEの音楽には、そんなボブディラン愛にあふれている。2010年のこのいまに、この音楽がどう響いて聴こえるのかは正直わからない。でもそんなのどうでもい〜じゃん。っていうぐらいに、ボブディランへの愛情があふれている。盗んでやろうとか、パロディってやろうとか、そういうたぐいのものではなく、もう好きすぎてでちゃったみたいな。わたしはそんな音楽があってもぜんぜんいいとおもう。愛情あふれる音楽を聴くのは心地いい。少なくてもわたしはニコニコしてしまう。もしわたしがその場にいたら「わたしもディラン大好きなんですよ〜」って、おもわず駆け寄っていきそうなくらいの勢いだ。

すべてのロック音楽(あえて角田光代風にいう)好きにとって、ビートルズストーンズと同じくらい偉大なボブディランですが、どのくらい偉大なのかは、それこそ権威のある有名な方が、あらゆるところで語っているので、いまさらわたしがいうこともないですが、今回はふだん、あまり語られてない、わたしがおもうディランの魅力を少しばかり。
よくディランはうたい方がぶっきらぼうで、ともすればヘタだととられがちで、他のひとにカヴァーされてはじめて美メロに気づく的な、「ボーカリストとしてのディランはちょっと・・」みたいな雰囲気がままあるし、あまりディランの声にについては語られることはないようだけど、わたしからすればとんでもない、すばらしいボーカリストだとよくおもってるわけです。調子っぱずれで、投げやりなあのうたい方は味なんですよみなさん!すごく中毒性のあるうたいかたで、はまると”あれじゃなくちゃ困る”みたいなかんじになるんです。わたしからすればむしろ、きれいなメロディーでカヴァーしてるバーズとかPPMとかのほうが違和感かんじるね。わかっとらんよと!
そこらへんはBITEの酒井さんはよくわかってらっしゃるようで、おもいっきりディランふうにはずしています。ぶっきらぼうさ加減ちょうさいこう!
あとこれは最近きづいたんですけど、ディランはギターもめっちゃうまい。Don't think twice it's alright なんてどうやって弾いてるわからないぐらいうまい。ほんとここ再発見にてさらにリスペクトす。
そんなTHE BITEがアルバムを出すということで、わたしはかなり期待をふくらませ聴いたわけです。がしかし、わたしはアルバムを聴き終えて首をかしげてしまった。それは期待したほどのディラン愛あふれるアルバムではなかったからです。先の”夜が降る”の収録してあるのですが、すっかりアレンジも変わってしまってる。そこにディランっぽいかんじはかなりうすくなっていたからです。まあそういうのを除けば、パンキッシュなロックンロール然とした、いいアルバムなことは間違いないのですが。
それでもわたしはどうも気になって調べたところ、わかりましたよその訳が。どうやら今回のアルバムには、かかわったプロデューサーである人の意向が存分に反映されてあるということ。そしてそれによってBITEのみなさんは曲のアレンジを相当変えているということがわかった。バンドのボーカル酒井さんのブログでは、ご丁寧に全曲解説をしていて、レコーディングの際の模様などが一緒に語られているが、例えば6曲目”グッパイブルース”に関してはこうある。

「グッバイ・ブルース」

この曲もバイト・ヘッドのかたなら御存知のように、元曲があります。
2年ぐらい前に出たカクバリズム編集のタワレコ・コンピに入ってますです。
そこでは目指せライトニン・ホプキンス!な2コードのブギ・ブルースでした。
このバージョンのままアルバムに再録しようと思ったのですが、またもやプロデューサー仁さんからゴーサインは出ず・・(笑)。

丁度仁さんから「ブラック・クロウズ」や「ジェット」のような60〜70年代風味の90年代以降のバンドを聴かされていたので、
「これでどうじゃ!!」とばかりにリフを中心としたアルバム・バージョンに創り直したところ、仁さんから無事ゴーサインが出ました(笑)。

とこうである。わたしは出来ればこのライトニンなブルースバージョンを聴きたかったぁ!とついおもってしまう。ちなみにほかの曲もそのようなパターンが多く、わたしはもしバンド側の意向に沿ったアルバムを作っていたのであれば、もっと土着的なブルースを下敷きにした、ディラン愛あふれるアルバムが出来上がったのではないか。とつい夢想してしまうのだ。結果的には酒井さんをはじめバンド側も満足している様子であるから、いいのかもれないですけど。わたしは出来れば次のアルバムは、酒井さん。やりたいようにやってよ!といいたい。いややってほしい。わたしはそっちの方が全然聴きたいですから。すごく期待しているわけです!



この曲はディラン愛あふれてんな〜。
それにしてもここの部屋の本棚。わたしの家の本棚とあまりにも似ていて唖然。ギンズバーグの詩集はないけど、ビートニクの詩集は結構もってるし。あとレココレとか結構かぶってんなぁ。
なんか似てますね。


ポケットにブルース

ポケットにブルース