やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

ポロおじさんとクタおじさん、そしてクラムボンよみうりランド野外ライブ

ああっ、あついっ!もう一杯!(八名信夫風)いや、まずい!もう一杯だった。てへっ!
                    
てなわけで、もういつのまにか9月になりましたが、あいかわらず暑い。だからもういっぱいいっぱい、もう結構。しかし我が職場のパートのおばちゃんは、風が変わったという。風はもう秋だという。「秋になると風がガラっとかわるのよ、わたしにはわかるのよ」 結構得意げだった。
聞いてなかったが。(zazen boys/asobiより引用)
9月ってことは、もう今年も半分以上すぎたわけであり、オレまだなんもやってねー、的なやわらかい後悔を、いつもながらかんじるのかといえば、まあそうでもなく、今年はつくばに越してきたこともあるのか、おしゃれな、しかも安い古着屋を見つけたりとか、これまたおしゃれな床屋さんと知り合ったりとか、つい最近はまたまた安くていいスタジオを見つけたので、ギターもってセコセコ入り始めたりとか、結構いろいろやってます。アクティブ!!
そんで昨日は久しぶりに会う昔の仲間と集って、クラムボンの野外ライブを観によみうりランドまで行って来たわけです。そこに行くまでのTX(つくばエクスプレスね)の電車の中で、おもしろいおじさん達に会ったりしてね、よかった。ちょうど4人掛けの席で、わたしの向かい側に座っていたおじさん達なんですけど、見た目は50半ばか60近いのかな、ひとりはポロシャツで、ひとりは襟がかなりクタっているシャツを着たいわゆる”休日のおじさん”ってかんじの人達。そのおじさん達の会話が気になった。話は、なにやらポロシャツのおじさんの職場は女性がかなり多いってことについて話をしてたんですけど、クタった襟のシャツのおじさんが、だいたい何割ぐらい女性がいるのですか?と聞いたところポロのおじさんが
「だいたい92%が女性ですね」
といった。それまで、本を読みながらなんとなく耳に入っていたわたしは、そこでイッキにつかまれた。あれ、まずだいたい92%って、かなりこまかいじゃないか、だいたいじゃないよ。計算でもしたのかな。いや、ちょうど100人いるうち92人だったら計算する必要はないな。でもだったらふつうにそのまま言えばいいじゃないか。とかいろいろおもっていたら、クタッたシャツのおじさんは「ああそうなんですかぁ」だって。ふつうに受け止めてた。わたしはこころの中でひっくりかえったよ。足が上になってた。そこからはわたしは本なんか読んでる場合じゃない。放り投げる気持ちで本はとじ、携帯をいじるふりしながらも、ひたすらおじさんの話に集中したわけです。
その話がひとしきり終わったあと、すこし間が空いて、こんどポロおじさんが「わたし昨日イビキかいてました?」とクタッたシャツのおじさんに聞き始めた。どうやら二人は昨日一緒に宿かなんかに泊まったもよう。すると「ええ、かいてましたよ」とクタッたおじさんはあっさり答えてた。ポロおじさんはバツがわるそうに「そうかぁ、そうかぁ、大きかったですか?」と聞くと、クタおじさんが「ええ、大きかったですよ」とあっさり言うもんだから、さらにポロおじさんが「そうかぁ、そうかぁ」とバツがわるそうにしてた。わたしは、クタおじさんは容赦ないなぁ、フォローなしかぁと聞いていると、話題はそこからまくらの話になり、昨日の宿のまくらが硬かっただの、高さがどうのこうのだの話におよぶと、ポロおじさんが思い出したかのように、こんどは「わたし、まくらがかわると寝れないんですよね〜」とちょい不満げに言い出しはじめた。
こらポロ!こらこらポロ!おまえ昨日いびきかいて寝てたんだろ!フォローなしで結構。クタおじさん正解!っとおもっていると、クタおじさんはあっさり「ああそうなんですかぁ」とむしろ関心して聞いていた。なんだよそれ!わたしも、もうこうなってくるとツボに入っちゃって、ポロおじさんの、胸ポケのみたこともない地図記号のようなマークはいったいどこのポロシャツなんだろうとか、あのクタッたシャツは何回着ればあんなヨレヨレになるのだろうとか、考えるとなんでも面白く見えてきて、ふき出すのをこらえるのに必死だった。
さいごにポロおじさんは、なんか日差しがまぶしいとか言い出して、目の前のわたしに「ブラインド下ろしていいですか」と聞いてきた。わたしは、もう、どうぞどうぞと何でもやってくれというかんじで答えると、さっそくポロおじさんはブラインドを下ろしたんだけど、なんか引っ掛けるところが、壊れているのかうまくいかないらしく、引っ掛けたかとおもったら、すぐ外れて勢いよく上にもどってしまう。ポロおじさんは「あれ、あれ、」とか言いながらまた引っ掛けなおすのだが、またしてもブラインドは外れて勢いよく上にもどってしまうのだ。3回目のときにもうガマンしきれずに、わたしはとうとうふき出してしまった。「だははははっ」積もり積もった笑いの津波がついに防波堤を破壊したのだ。
ポロおじさんも、「なんだかうけちゃった」みたいなかんじでつられて笑った。ちょっと遅れてきたがクタおじさんも一緒になって笑った。3人がひとつになった瞬間だった。なんだかさいこうの気分だった。そしてわたしたちは日差しを目一杯浴びながら終点秋葉原へと向かったわけです。
こんな出始めのいいスタートだっただけに、クラムボンのライブがダメだったはずもなく、ちょうさいこうのライブだった。まず席が抜群によかった。前から7番目しかもほぼ真ん中というびっくりするような位置で、メンバーが人として肉眼で確認できた。このことほど感動するってことないんですね!(ふさっちありがとう!)。おどろいたのはミトくんこんなしゃべるひとだったっけ!ってこと。なんか年をかさねるたびにココロが開放されてきたのかな。郁ちゃんはいくつになってもかわいいですね(シャレじゃないっす)。メンバーもみんな楽しそうで、わたしはクラムボンのライブははじめてではないが今回がいちばん良かったんじゃないかとおもう。選曲もいままでのベストってかんじ。
メンバー全員でコスプレした”スーパースター”もかっこよかったが、わたし的には中盤にやった”ハレルヤ”から”ララバイ サラバイ”の流れがさいこうによかった。なにかレクイエム的なかんじにもとれて、わたしはやけに速く流れる雲と、全体に舞ってるシャボン玉に照明が当たってキラキラ光る光景と、クラムボンの演奏に浸りながら、なんとも言えない厳かな気分を味わったのだ。



これは前の演奏だけど、こんなかんじ。