やましいたましい

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野狐禅(やこぜん)の軌跡

野狐禅(やこぜん)が解散した。って知ったのはもう半年以上も前だけど、9月に最後のツアーのDVDが出てるらしい。
昨年の5月、甲府の櫻座にかるい気持ちで観にいって、ドッと疲れて帰ってきた。ほんとそれほどいいライブで、帰り道、もうこれは応援していこうと、内に秘めたるおもいを抱いて帰ったのを思い出した。べつに内に秘めなくてもいーんだけど、なぜかそんな気持ちにさせるようないい人達でね、今このブログを書きながら、頭に浮かんでる人がひとりいるんだけど、たぶんその人には超どストライクなんじゃないかと思って、今回はその人のこころに土足でガンガン入っていってわしづかみにするような勢いで、あつっ苦しくいこうかなと思います。
わたしは、ほんとそういうむき出しの表現がもともと大好きで、むしろ原点だともおもってます。




失われていく少年性をかみ締めながら、今の自分のダメさ加減を告発していく曲。
ダメなのは自分なのか、社会なのか、それとも聴いてる私達なのか。
濱埜くんのピアノがなんとなく夏っぽい。





そのダメさ加減を告発し、不甲斐ない自分に往復ビンタをしたら頬が紅葉色になったという曲。
ひたすら「個」を追求していった先に思わぬ普遍性に辿り着くような。わたしはこのうねりの中からこぼれ落ちた一滴のような「もみじ」という表現が
なんとも聖性を帯びたうつくしさを感じます。まるで俳句でいう季語のような。いい曲




これを聴くと、昔皿洗いのバイトやっていた頃、くったくたになって夜ひとりでトボトボと帰った毎日を思い出すな。
あの頃はほんとに何にもなかったなぁ。
「どっかで一杯やっていこか!」
なんか泣けてきます。



圧巻です。


今まで見たこともないボロボロのスニーカーでうたってる姿が実によかった。
解散の理由はそのライブで受けた印象と同じすごく誠実なもので、しょうがないかもとおもった。
まったくどうしていつもこう腰がおもいんだろう。そうやっていつも大事なことを逃している気がする。そうおもうと自分に腹が立ってきた。ライブだって行けたんだよもっと。あれ以来HPもチェックしてたし、長野でライブがあった時は実際地図で調べたりもしてた。休日に東京でライブがあった時もあった。2,3回は確実にチャンスがあったんだよ。でも結局わたしは行かなかった。ただ単に行かなかった。普通の連休の休みにひょっこり京都に遊びに行く友達もいれば、韓国にいくアクティブな知り合いだっている。こうやってすばらしい野狐禅のライブを集めながら、もうこれを生で観れないのかとおもうと、ほんとにわたしはこうやって後悔を繰り返し生きてくのかとつくづくおもう。

野狐禅 LAST LIVE at 札幌KRAPS HALL DVD

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