やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

嫁の愛国心

最近この暑さで連日クーラーをつけまくっている。考えてみると毎年あついあついと言ってるような気もするが、わたしはそれでも冷房に頼るのはせいぜい2,3日くらいで、だいたいは扇風機で乗り切っていたはずだ。今年は迷うことなく冷房をつけている。住むとこが変わって参考にならないかも知れないが、やっぱり今年はあついと思うよ。玄関を出て扉を閉めると足元に蝉が仰向けでひっくり返っていた。階段を下りた先でも同じような蝉がころがってた。この蝉は自分の人生を全うしたのだろうか。わたしはどうなんだろう。朝からまったなしの灼熱の中、いつもの職場へと向かう。
わたしの嫁の興味があることは、つまるところ今、世間一般の興味があることだとわたしは思っていて、ついこの間までは、いじめについて強烈な批判を幾度となく繰り返していたが、いまはオリンピック一色に染まっている。わたしも今回のオリンピックは、重量挙げの三宅選手が悲願のメダルを取ったり、卓球の愛ちゃんだったり、水泳だったりと自分の知ってる人が活躍しているのでワクワクして観てるのだが、昨日の男子サッカーの試合も食い入るように嫁は観ていた。サッカーに関してはわたしは嫁よりは相当詳しいつもりでいたのだが、あの選手は男手ひとつで育てられたとか、あの選手は一見チャラチャラしているけど実はマジメなんだとか、どこで聞いてきたのか、マラソン解説の増田明美ようなトピックス的なエピソードネタを繰り出しながら嫁は熱く応援していた。わたしも何であれ熱く応援してくれる仲間がいるのはうれしく、あーだこーだ言いながら盛り上がった。そして終盤DFの吉田選手がヘディングで2点目を決めた時に嫁はおもわず歓喜のあまり「マヤー!」とさけんでいた。わたしもおなじく盛り上がったが、それと同時にこうも思っていた。嫁は吉田選手のことを「マヤ」と呼んでいる。わたしは吉田選手は名前が麻也だというのは知らないわけではなかったが、まさか嫁が吉田選手のことを「マヤ」と呼んでるとは思わなかった。だぶん世間一般的にも吉田選手の名前が「マヤ」だというのは周知の事実なのだろう。聞けば吉田選手はブログもおもしろくて今話題で、嫁も毎日のようにチェックしているのだという。おそらくあの吉田選手の2点目が決まったとき、日本全国の結構な人が嫁と同じように叫んだのであろうか
「マヤー!」と。
こうやって人はあらゆる情報を刷り込みをしながら、自己に内在化していくことで親しみが湧いて、はじめて日本の選手を応援できるとわたしは思っている。だからわたしは国のスポーツを楽しむ時は、わざと事前に出来るだけその選手の情報を得てから楽しむことにしている。それがわたしの楽しみ方である。わたしは知らなければ本当の意味で楽しめない。なぜならその選手をわたしが知らなければ「知らない」という距離感でいえば、わたしにとっては他の国の人と一緒になってしまうからだ。わたしは知らない人には感情なんて湧かない。ただ知らない人がなぜか日本のユニホームを着て戦っているとしか見えないからである。つまるところわたしは愛国心なんてのは、実はそんなものだと思う。
さぁ、今日はマラソンだ!


最近は、もうそれこそずっとスティーりーダンばかり聴いていて、特に2000年以降のスティーリーダンが良い。これは異論があるかと思うんだけど、むしろ2000年以降のやつの方が良くて(お互いのソロも含めて)飽きないで聴いてます(音とか含めてね)。そのスティーりーダンの「トゥ・アゲインスト・ネイチャー」も良く聴いてるアルバムだ。だけど聴いてるとどうしても最後の曲のサックスソロが長い気がして思わず突っ込みを入れたくなってしまう。たけしみたいな感じでワザと近づいてって「おめーなげ〜よ」なんて。そんなユーモアたっぷりのシャレたアルバム秘話があったらさいこうなんだけど、彼らにかぎって、まずそんなことはないはずでなのである。



Two Against Nature

Two Against Nature