やましいたましい

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山本太郎さんのこと 他四篇

  • 俳優の山本太郎さんの反原発の行動のニュース報道は、いかにも奇異な人の奇行ような扱われ方で、わたしにも若干そううつってしまうが、やっぱりわたしには出来ない行動をこの人やってるんだということを、それも全てなげうってやってるんだということを、忘れないようにしなくちゃいけないとおもう。勇気ということ。若干子供じみているとはいえ、やはり勇気の問題だとしたら、わたしにはあと、どのくらいがそんな勇気が残っているだろう。姑息に長生きしてつまらないものを積み重ねるのは、カッコ悪いのはもうわかっているけれど、それなら、わたしにはあとどれくらいあるのだろう。太郎さんの意思表示は、わたしには少なからずショッキングなことだった。尊敬しますよ。少なくてもわたしはね。



同じ内容でも、報道の仕方によって、こうも印象が違ってくるんですね。
どちらか一方でも、偏った判断になってしまう。両方観てはじめて判断できることだとおもう。エジプトの革命はツイッターがあったからこそ、おこりえたというのは、よく知られている事実だが、ソーシャルメディアがわたしたちにもたらした影響は、人生観を大きくに変えるほどのことなのはよくわかるが、わたしには何かそれが、自分で自分の首を絞めているかのような気もしてしまう。あきらかに終わりに向かって、速度が増したような、そんな気持ちにもおもえてしまう。それがどうしてなのか自分でもぜんぜん検討がつかないのだけど。

  • 岡村靖幸の復帰第一弾は、かつての自分の曲のセルフカバー集らしいが、どうしてなのだろうかと、拭い去れない疑問が残る。セルフカバー集をいくら2枚組でだそうが3枚組だろうが、やはり復帰第一弾は、曲は少なくてもいいから、まっさらな新曲だけのアルバムで健在ぶりをアピールするべきではないのか。それが出来ないのであれば、もうダメなのではないかとおもうからだ。なぜなら岡村靖幸というアーティストは、自分の中にあるピュアネスと、それにそぐわない”現代の風俗”とのひずみを、あぶり出すことによって、表現するアーティストではなかったのか。つまり自分の身を切ることで、現代が抱えている現状を浮き彫りにできる稀有なアーティストではなかったのか。それならば例えば、同級生と35歳の中年の不倫を不純だと嘆く”聖書(バイブル)”といった曲などは、35歳の中年をもはるかに超えてしまった、もうおじさんの年齢に達した岡村靖幸本人は、いったいどう、うたうつもりなのだろうか。常に前進あるのみでしか、岡村靖幸はかつての自分を越える表現はできないのではないのか。ファンと本人がただの懐メロとして消化しきってしまったとき、これまでとは全く別なものに変わってしまうような気がする。音作りだけでも抜群のセンスなので、かなりかっこいい作品に仕上がるであろうことは予測できるが、何十年もついてきてるファンが期待してるのはそういうことではないでしょう。わたしも含めてね。


  • レッチリの新作がいよいよ発売される。ジョン・フルシアンテが正式に脱退してからのはじめてのアルバムなので、わたしはどうなってるんだろうと期待していたが、アルバム先行の曲はもう聴いてしまった。なんかいい意味でもわるい意味でも変わらない印象。新しいギタリストはジョンフルシアンテとは違い、もっと匂いとか、雰囲気を演出するようなギタリストで、それはぜんぜんわるくないなとおもう。むしろいいんじゃないかともおもう。でもやっぱりなんか変わらないって印象があった。あったなー(ちょい残念)。かといってジョンがまた戻ってきたほうがいいともおもわない。なんかあの4人でのサウンドはもうやりきったってかんじがあったし、じつはジョンが主導権を握って深く係わったアルバムは、わたしはそんなに聴き込んでいないのだ。なんとなく飽きてしまうんだよね。わたしが好きなのは相変わらず「ブラッド・シュガー〜」であり、今回のアルバムがそういうファンキーなアルバムだったら、さいこうなのに(そういう噂もあるので)。だからもう少し期待して待つことにしようかな。



  • 70歳ぐらいになったら、さすがに達観して落ち着いて音楽でもやってられるかなとおもっていたら、何十年も続いている老舗の音楽雑誌「ミュージックマガジン」を作った中村とうようさんは79歳で自殺してしまった。たまに若いときあじわった感覚が、ひょんなことで生々しくからだをかけ抜けて、立ち尽くしてしまう時がある。いくつになってもざらついた心ってのは消えないのか。だからといって宗教じゃないんだよ。「音楽に救われたいんだよオレは」いったのは、じゃがたらの江戸アケミだが、最近は、それすらどうなんだろうとおもう。わたしはリズムに救われたいとおもうことはある。リズムにのって気持ちが高揚する瞬間、わたしは何か他ではない特別な気分になる。わたしがオールドスクールHIPHOPが好きなのは、かっこいいリズムを作りだすことに関して、貪欲なまでに忠実であるからなのかもしれない。わたしが盆踊りがすきなのは、ちょっとまた違うが、まあそういうことなのだ。ひさびさ盆踊りしたいな。盆ダンスね。



おもしろい譜割りだなとおもって聴いていたら、とたんに歌詞がズドンと入ってきて、おもわす聴き入ってしまった。
小田和正ってこんないい曲書くんですね。それともわたしが単に年老いたのか。でもほんといい曲だとおもいますよ。特に「あの頃とおなじ〜」なんてとこなんかキューンときます。