やましいたましい

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わたしのおもひでのビザールギター

島村楽器のお題「楽器に関する思い出」
わたしのおもひでの楽器といえばギター。日本製のどこのメーカーともわからないギターだ。いわゆるビザールギターってやつだ。しかも貰ったギターだ。会社の倉庫にねむっていたという。わたしが貰ったときは、ホコリまみれのゴミ同然のギターだったが、わたしの目は輝いていた。というのも、当時のわたしは、自分が持っていたギターの音に少々あきていたし、ちょうどその頃、ニルヴァーナソニックユースなどが、ジャガージャズマスターなどの、もともとはサーフミュージック用に作られたギターを、今風のディストーションかなんかでドライブさせて独特な音を出すのが流行っていた。貰ったギターはホコリまみれのゴミ同然ではあったが、かたちがベンチャーズのモズライト風でまさにサーフミュージック用に作られていたギター。これはおもしろい音が出るかもしれないと、わたしの期待は高ぶっていた。
やれるだけのことは全てやった。金具の錆びている部分は丁寧にはずして錆落とし液につけたり(以外とよく落ちた)、指板の欠けているところはパテで埋めたりした。ジャックの部分も目の細かいサンドペーパーで丁寧に磨いた。そして一ヶ月ほど経って、なんとか仕上げて、アンプから、期待以上のエグいサウンドが聞こえてきたときの興奮ったらなかった。わたしの持っているコンプとの相性も良かったし、なにしろ、わたしが気にいっていたローランドのジャズコのアンプで歪ませた時の音が最高だった。はじめてスタジオに持っていた時も、オモチャみたいな風貌のギターに、最初は怪訝そうに見ていたメンバーも、音を出した瞬間に、みんなブッ飛んだ。「ハンパねーな」の言葉を連呼しながら、その日の練習はいつも以上に盛り上がり、練習時間をはみ出して怒られるほどだった。
しかしその最高のギターもほどなくして使わなくなる。ある日エフェクターをいくつか繋いでアンプから音を出そうとした瞬間に感電したのだ。まさに山田かまち現象。ほんとに強い衝撃でヤバかった。ほんとに強い衝撃を受けた時って声も出ないんですね。いや〜あぶなかった。ほんと古い楽器などをさわるときは十分注意するべきだね。
それからそのギターは、もっぱら鑑賞用になって部屋の片隅に置いてある。今でもあるよ、すぐ見えるところに置いてある。時々あのエグいサウンドをおもいだしては、聴いてみたくなる。ただ、次に音を出すときは、かなりの命懸けのことになりそうだけどな。
YO 朋輩(ニガー) オレからの報告は以上だ。(完全にモブ・ノリオ風)