やましいたましい

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雨の日はすてきな出会い〜あたらしい婚活提案〜

今週のお題「雨の日の楽しみ方」

「とつぜんの雨に軒下で雨宿り、そこで同じように雨宿りをしていた、すてきな彼女とバッタリ」
そんなベタなシチュエーションに、ほんきでおもいを馳せたことはないだろうか。男たるもの、時として、あれやこれやと、まあいろいろ考えるのである。妄想のビックバンベイダーなのである。
軒下で雨宿り。そう、そこは逃げ場のない二人だけの空間
「雨、やみそうもないですねぇ・・」
などどいう何気ない会話からスッと入れる。
そしていつしかふたりの会話は、お互いの身の上話になり、悩み相談になり、しだいにふたりの仲は深まっていく・・・。しんしんと降る雨の中、恋の炎だけはビックバンベイダーなのである。
そして、わたしの妄想では、次の場面ではふたりは早くも付き合っている。なんなんだこの早い展開は!とおおもいであろうが、もういいじゃない。もう付き合っちゃう。そう、男たるもの、面倒な過程などは、なるべくならハショっていきたいとおもうことも、また広く知られている事実である。
しかし、わたしがそのように考えて世間を見渡す限り、ない、ないではないか。あの、あたらしい婚活フィールドになるべくはずの軒下が。あるのは世知辛いコンクリートジャングル。四角い建物。直線、直線、直線の嵐である。あのノスタルジックなにおいすらかんじさせる、軒下の「の」の字もないのである。そしてきわめつけは携帯である。携帯があったら、まずふたりだけの空間なんてのも出来ないでしょ。だいたいこんな場面になったら、すぐ家族とかに「傘わすれたから迎えきて」なんて電話すんでしょ。そうじゃなくてもすぐ携帯ひらいて、あれですか、モバゲーですか。あれおもしろいですかそんなに。まったくなってないですよ。世の中が便利になればなるほど、なぜか世の中の出会いに飢えた男女だけが損をして、不当で不利な状況になっていくような気がしてしまうこのジレンマ。わたしは、そう考えれば考えるほど、今すぐにでもその雨の中を駆け出して、映画プラトーンのように天を仰ぎながらひざまづきたい気持ちになるのである。
どうか世の中にもっともっと軒下をつくってほしい。あたらしい出会いの場をつくってほしい。そしてどうか、わたしのこの考えを復興に役立ててほしい。雨の日に、世界中の軒下に若い男女が列をなして並んでいる。それが、わたしがおもうすてきな世の中である。



その日も天気予報では雨が降る予報。お天気おねえさんは「きょうは傘の用意をお忘れなく」と告げている。


もう仕事に出掛ける時間。世界中の彼や彼女は、みんな一様に一瞬、玄関先においてある傘に目が止まる。そして、次の瞬間、なにか意を決したように、彼や彼女たちは傘を持たずに玄関を飛びだしていく。なんともいえないワクワク感を抱きながら。
雨の日はすてきな出会いの場。だから恋焦がれる男女なんか傘なんか持っちゃいけないわけですよ。そんな世の中になったらほんといい。
そしたらわたしだってもちろん持ってきませんよ。そして軒下で、すてきな綾瀬はるかと出会いたいです。








そんな雨の日の軒下に、流れているにふさわしい音楽は、きっとこんな曲
グレングールド/ブラームスの間奏曲