やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

センスを売りものに出来る人たち〜LOST & FOUND: REAL R'N'B & SOUL〜

LOST & FOUND: REAL R'N'B & SOUL 盤)

LOST & FOUND: REAL R'N'B & SOUL 盤)

ロンドン在住の世界最高のノーザン・ソウルDJ、keb Darge(ケブ ダージ)と、わたしが自身の音楽だけでなく、姿勢、生き方まで含めてだいすきな、The Jam、Style Councileのフロントマンを経て、現在はソロで活躍中のPaul Wellerポールウェラー)が、自らがすきな50〜60年代のオーセンティックな踊れるソウル〜リズム・アンド・ブルースを中心に選曲したコンピレーションアルバムです。わたしは、ここでいろんなあたらしい新譜についてあーだこーだ書いたりしているが、じつは今年いちばん聴いてるのはこのアルバムじゃないかっていうくらいほんとよく聴いているアルバムです。ドライブはもちろん、食事のときなどの”ながら聴き”などにもいいし、じっくり聴き込むにしてもさいこうな一枚です。同じアーティストとまではいわないけど、年代がバラバラなのに統一感がある。どの曲も踊れるし、聴いてて飽きないアルバム。わたしはまさにこんなのをずっと聴きたかったのかも。
50〜60年代のオーセンティックなソウルやブルースなどは、風景、色、音像、アナログのくぐもった音まで含めて、いまの音楽には出せない独特な空気をもっているとおもう。それは雰囲気をもった映画などを観たときに、日常からふっとはなれ、どんどん映画の中に埋没していくような感覚とある種似ている。その音楽をかけた瞬間に、いままであった日常の景色をガラっと変えてしまうような、そのぐらいの強力な雰囲気をもっているのだ。わたしは一時期アイク&ティナターナーの音楽にはまって、まぼろしの名盤を探しに都内のアナログ盤屋を探しまくっていた時期があったが、わたしがアイク&ティナターナーにもとめていたものは、この感覚だったのかもしれないと、今にしてみればおもう。シャレた喫茶店や、粋な飲み屋などがこぞってこういう音楽をかけるのも、やはりこの時代の音楽でしか味わえない感覚をもとめているのだろう。選曲もいいし、曲の並びもいい。とくにDJ、keb Darge(ケブ ダージ)の選曲が抜群で、おどれる曲ばっかり。そしてなによりわたしがワクワクするのは、このコンピレーションの中の曲にわたしの知っている曲がひとつもなく、アーティストすらはじめて聞く名前ばかりだということだ。たぶんケブ ダージをはじめ多くのDJの人たちは、日夜こうして重箱を隅をつつくようにおいしい音楽を見つけながら、アナログ盤屋を奔走しているんだろうな。すごいなケブダージ。DJの人たち。なんだかその結果のおいしい旨味の部分だけいただいているようで、申し訳ないような気もしてきます。
ユナイテットアローズが流行語大賞にもなった年、わたしのセレクトショップという有り方に対する印象はいささか冷ややかなものだった。なにか自分でつくった物でない、ひとのつくった物をただかき集めて売ることにたいして、ひとのフンドシで相撲をとるような、得もいえぬ違和感があったからだ。でも今ではわかりますよ。わたしはアローズもよく行くし、好きなセレクトショップもある。彼らはセンスを売っているのである。やはりそのセレクトショップに気に入った服があったりすると、それこそ重箱の隅をつついたような、そのほかにわたしの知らないセンスのいい服があるのではないかとワクワクしてしまう。そこらへんはわたしのDJにたいする見方も一緒で、彼らは曲もつくれないし、楽器も弾けないひとたちだけど、やはり世界中のいたるところで、人々の知らない音楽を自分のセンスでみつけ、自分のいいタイミングでそれをながし、おどらせる。まさにセンスを売っている人たちである。
わたしも今回DJケブダージのセンスはグッときたし、ケブダージ関連のコンピレーションはどんどんチェックしていきたいとおもう。しかも今回アマゾンで調べてわかったけど、1460円で売ってるじゃないですか!わたしはHMVで、残り二枚ぐらいだったので、無くなるとおもいあわてて買ったんだけど2400円ぐらいしたとおもうよ。もうおつりがくるくらいは聴いてるけど、こんなに安いんじゃほんと買いですよ。古いおどれる音楽が好きなら買いだし、初期のストーンズがすきな人もおすすめです。
いまからわたしがなんとかyou tubeで探した音源があるのでピンときたひとはぜひぜひ!!









パソコンだと伝わるかなぁ。この低音のかっこよさ。