やましいたましい

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福袋は買わない

正月の初売りといえば福袋である。おもいきって言うが(そうおもいきるほどでもないが)、わたしは未だかつて福袋などを買ったことがない。毎年ニュースなどで賑わっている映像などを見るが、正直意味が分からないともおもっている。
よく福袋は値段以上のものが入っているから得をするとはいうが、はたして本当にそうだろうか。確かに中に入ってるものをまともに買えば、プライス的には買った値段以上にはなるだろうし、いっけん得した気分にはなるのだろう。しかし考れば、その中身一つ一つのものを店頭にてわたしは買うのだろうか。むりくりあてがわれた物を、状況に順応するようにただ納得しているだけではないか。
売る側の立場になってみる。本当に良いものならば、堂々と店頭で正規の値段で売るほうが儲けはあるだろうし、もしプライスを下げるのであれば、それは目玉商品として掲げたほうが、より集客できると考えるのが妥当だ。袋の中に隠してしまう必要は一つもないのである。「一流メーカーがなんと半額!」という宣伝やチラシを見るたびに、つねづね子供のわたしはおもっていた。「ほんとに一流メーカーなら・・・言え!」
それでは福袋に入る相応しい物はなんであろうか。売る側も喜び、なおかつお客さんに安く提供できるもの。それは在庫処分である。そう、福袋の中身とは、単なる在庫処分なのではないのか。しかも、初売りバーゲンでも売れ残ってしまいそうな、どうしようもない物なのではないか。わたしはそんなの欲しくない。欲しくないよそんなの。わたしにも曲がりなりにも生きてきて培った価値観がある。安いものを大量に消費するよりも、いいものを長持ちさせて使う。そっちの方が愛着がわくっていうものだ。だから、自分で育てる楽しみがあるジーンズや皮製品などが好きなのだ。ギターなんかもそうだ。いいものはそれなりに値が張るのはしょうがないとおもっている。わたしはそっち派だ。
しかしそこまで書いていてわたしはおもう。なぜそこまで福袋なんかに敵意をむき出しにしているのか。なぜ新年早々の正月のめでたいことと、寛容に受け止めることが出来ないのであろうか。もしかしたらわたしは福袋が好きなのではないだろうか。しかもめっちゃ好きなのではないだろうか。ともすれば隙間から見えそうな、あまい、あま〜いセキュリティの袋。はずれただの、当たっただのに一喜一憂する正月ならではのイベント。そんなものに実は不覚にも魅了されてるのではないか。そう考えると怖い。怖くなってきた。いつかそんなおもいに毒されたわたしの中のバケモノが、ついぞ飛び出してしまうのではないか。そしてあの初売りで賑わうニュース映像の中に、有り金をめいっぱい握り締めた、わたしがいるのではないか。そんなことはあってはならない。絶対にあってはならないのだ。その為にわたしは、福袋が嫌いな理由をあと最低3つは挙げなければならない。これは急務、急務なのだ。



バーゲンは好きだ。こんな曲が店でかかっていたら、2割、3割増しに買う勢いが出そう。




Fool's Gold/What the World

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