やましいたましい

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暗いダンスミュージック〜Jack Peñate〜

これ、今のところ今年出たものの中ではいちばん好きなPV
ロックジャーナリスト久保憲司氏をもってして”現代きっての詩人”と言わしめる弱冠24歳のシンガーソングライター ジャックペニャーテの"TONIGHT'S TODAY"

全体的にかもし出されるなんとも妖しい雰囲気。メランコリック。常軌を逸したユーモアが詰まった作品。
作品って言ってしまいたくなるような完成度じゃないですかこれ。カメをなんか追い立てるようなシーンまでなんか意味があるような気がしてきます(ないけどね)。アートっぽい。普段5、10円系と五十,百円玉系とを分ける仕切りのある小銭入れのついた財布を使っているほどの、ちょー現実的なわたしでも理解出来るアートな感じ。う〜んアートっていいね。ついでにアート引越しセンターもいいね。(引越しの際お世話になった)
なんかこの雰囲気どっかで?と考えたら思い出した。トーキングヘッズだ。もしかしたら、ジャックペニャーテは、80年代の傑作アルバム”リメイン・イン・ライト"でトーキングヘッズとブライアン・イーノがやってたことを、今ひとりでやろうとしてるのではないか。やれてないけど。でも自分なりに消化してるのかな。U2のボノのようにはりあげようと思ったらロバートスミスになっちゃったような声で。
全体的に常にかかっている甘いリヴァーブ。すべてが間違ったいるようで、その実、それでいいような不思議な感覚。フロアの真ん中で、キレキレのダンスを踊れる人にしかダンスミュージックがあるわけではない。こういう鬱々としたダンスミュージックこそ、本当に必要な人がいるのではないか。
誰って、例えばそう、わたしとかに。


エブリシング・イズ・ニュー

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