カエターノヴェローゾ 67歳
でもメガネのおにいちゃんはカエターノが好きらしく、結構ノリノリな感じで最近のカエターノ事情を教えてくれた。聞けば、ここ何年かのカエターノヴェローゾは、今まで慣れ親しんだスタイルを捨てて、息子のモレーノをプロデューサーに迎え、その幼なじみのペドロ・サーなど若い世代でつくったバンド(ギター、ベース、ドラムとあとちょこっとのシンプルなバンド形成)とアルバムを作っていたらしい。しかもそれがことのほかうまくいったらしく、今回出るのが、その同じバンド編成でさらに進化させた第2弾だという。
もう聞いているそばからもう完全にこれはいいに違いないと確信していた。サンキューメガネのおにいちゃん!いつも親切にありがとう。でも今日はここでは何も買わないよ。なぜなら今からオレはそれを買いにHMVにひた走るつもりだから。なぜならここにはそれは売ってないから。なぜならもう心はここにはないですから。でもゆるしてくれメガネのおにいちゃん。いや、もうおじさんかもしれないけど。いつもセンスのいい音楽を紹介してくれてありがたいと思ってるよ、でもあんまり快くすすめてくれるもんだから、断るのがヘタクソなオレは、たいしていいと思わなかったCDも今2枚ほど家にいたりするから。
アルバム最高に良かったです。思った通りのシンプルな感じで必要な音以外鳴らさないぞって気迫が伝わってくる。ギター、ベース、ドラムといういわゆるロックバンドのシンプル編成だが、それでブラジルの音楽をやろうとするむちゃくちゃな発想でやってるので、なんとも聴いたことのない奇妙な音楽に仕上がっている。例えるなら、一見普通の車に見えるが、近づいてよくみてみると、ひとつひとつの部品がみたこともないような部品で出来てるような感じ。しかもカエターノがしっかり歌いきっている。これがスタンダードなんだぜっていうくらいに。説得力あります。かつてブラジルのジョンレノンといわれた男。今、67歳。ボブディランもすごいが、カエターノも負けてない。