やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

音でも言葉でもないもの

なぜ音楽が好きなのかと、考えながら聴いてきたつもりなんてもちろんないが、私はそれなりにいろいろ聴いてきたし、いや結構追求してきたつもりですよ!ほんと自分なりに。頼まれもしないのにね。おかげで今ではほんとにいろんなジャンルの音楽を好んで聴くようになったし、それに派生して映画や本、あげくは世の中の表現している全てものに興味がいくようになったのは収穫なのか何なのか。とにかくNo Bad 悪くないぜ!って感じ。

それでも好きな曲やグッとくる曲に出会うと、自分なりに分析することはままあって、歌詞がいいだとか、メロディーだとか、ベースラインだとか、またはこのヒップホップのこのスネアの音が・・・とか、ゆがんだ愛情も芽生えてるのを確認することが出来るが、中にはどうにもわけ分からず、ただ感情にふれる音楽もある。その時、わたしの場合は完全なる思考停止、白旗状態なり、まるでアッラーの神のありがたい言葉のよう、両手をひろげてただ受け止めるのみになるのだ。ああ、その時わたしはあの偉大なる聖地 メッカの方向を向いているであろうか!非常に気になるところである。ところでメッカってどっちの方角?結構方向音痴なんだよね。大丈夫かなオレ。あ、なんか病気ですか!

D

これはドキュメントだと思う。

ここには、CDに収まっているものでもない、タフになった今のブルーハーブでもない、まさに99年六本木COREでしか聴けない「AME NI MO MAKEZU」がある。
HIPHOPというよりかは、ずっとポエトリーリーディングに近い感じだが、これもやはりHIPHOPだと思う。よくHIPHOPにみられる言葉の韻踏みは、言葉遊びだと思われがちだが、わたしは意味合いがぜんぜん違うと思う。言葉を加速させ、より音楽に純化させるための一種の発明だと思うからだ。ただの言葉遊びなら、新橋あたりで、一杯やってるおやじのダジャレの方がずっとうまいだろう。ただ、そんなダジャレに言葉は加速しない。むしろエンストだけどね。そこら辺はブルーハーブは見事にわかってやっていると思う。

そして最後にたたみ掛けるように放つ、かなり独自の解釈入った宮沢賢治の「告別」あたりになると、そこにはなにか、音でも言葉でもないような、そんなものが図々しくも、そうちょうど心の欠けてるあたりにガンガン打ち付けてくるような、なんともいえない心地よい感覚に陥るのだ。

なんか最近の音楽に限定して紹介するとか言っときながら、いきなり自分で最初っから破ってごめんよ。でも、この動画を観たことが、このブログを始めようと思った直接のきっかけでもあるし、これだけはやりたかった。

演武 [DVD]

演武 [DVD]