やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

修羅場にて

それは、もう終盤を迎えたジェンガのごとく、奇跡的なバランスの上なんとか成り立っていただけなのかもしれない。
あと1ピースだけでも外れれば、あとはことごとく崩れ去ってしまう。その1ピースがわたしだったとまではいわないが、わたしがこの職場を去ると決まってから余計加速していったような気もする。おもえば夏辺りから少しずつ職場の雰囲気が悪くなっていった。それが今日一気にしわ寄せがきた。崩れ落ちた。ジェンガがついに崩れ落ちた。昼間の全体ミーティングの時間。口火を切ったのは当事者の女性Sさんだ。女性同士の罵り合い。これまであちらこちらでチラホラ聞こえていた陰口が、直接本人同士ぶつけ合う瞬間を目の当たりにしたのは、わたしははじめてだったかもしれない。このことに端を発し、別の者どうしがまた口論をしはじめた時は、これはもうこの職場はどうなってしまうのかというぐらい修羅場と化したとおもったが、途中から自分でもなんでだかわからないが「ひょっとしていけるかも」とおもいが湧いてきて、それからは場を収めるというよりかは、むしろ吐き出させようにとわたしはスタンスを変えてった。「もっとないのかい」「今しかないぞ、全部吐き出しちゃえ」そんなつもりでわたしは場を促していったんだとおもう。
ひとしきり吐き出したあと、場は事務的な連絡が外部から飛び込んできて、なし崩し的に終わった。時計を見たら軽く1時間は過ぎていた。解決なんかしていない。だいいち、内容なんか端から見れはじつにくだらないものばかりだ。でもそれが大事。揉め事の本質なんてほんとのところ結局はくだらないものなのだ。わたしは今回の揉め事には、どれにもほとんど絡んでないのでそうでもないが、当事者は辛かったとおもう。ほんとに苦しい瞬間だったとおもう。わたしなら耐えられたのかとおもうといささか疑問だ。でも後半、それぞれが汚い言葉をはきだしてく中、少しずつ場が浄化していく様をわたしは感じとったし、それがわたしがいけるんじゃないかとおもったきっかけだった。
午後はみんな下を向いて仕事をしていた。いっさい誰も話をするものはいなかった。みんな黙々と仕事をし、作業を進めていった。ただみんな憑き物が落ちたような顔をしていたし、おかげで仕事もスムーズに進み、じつに効率的に終わった。ほんの少しさいごのさいごの方だけど、話し声もチラホラ聞こえてきたし、笑い声も聞こえた。帰り際Sさんが「今日はやっとゆっくり眠れそうですよ」といって帰っていった。その言葉を聞いた瞬間に、わたしは安心したのと疲れが一気に押し寄せてきて、なんだか泣きそうになった。わたしは職場にもどるまでの少しのあいだ、Sさんの言葉を聞いたその部屋の隅で、かみ締めるようにしばらくじっとしていた。



※冒頭少しふれましたが、わたしは転職することにしました。理由は、先方からそういう話があったからです。誰に聞いても今どきそんないい話ないってかんじだったし、なによりもわたし自身その話があった時点でくいついてたような気がします。自分の意思が決まった時点からは、次の仕事の準備と、今の仕事の引継ぎと、引越しの準備におわれて忙しく過ごしています。もう少しでネットも繋がらなくなりますし、ブログのほうも疎かになるかとはおもいますが、そう遠くないうちにまた始めるつもりではいますので、もし楽しみにしてる奇特な方がいましたら、いましばらくお待ちください。ではでは。



イースタンユース吉野さん完全復活!死の淵から帰って来た男の言葉は重みが違う。むきだしのたましい、まさに起死回生の一発。感動するしかありません。





心ノ底ニ灯火トモセ

心ノ底ニ灯火トモセ