やましいたましい

音楽を中心に服、本、生活の話題など

ゆがみ〜JAMES BLAKE の待望のアルバム〜

なにも新しいことをやるのは、いつも若い者だけとはいわないが、この22歳のあたらしい才能はまたも軽々やってのける。R&Bの最新型。ダブステップの最終形態。ダブステップが刺激的なシーンなのはわかってはいたが、いまいち、ちっちゃくまとまっていくような、なんか閉じていくかんじがして少し敬遠してた。でも去年jose james(ホセジェイムス)がベンガと組んだり、フライングロータスのトラックで自身のソウルを展開してるのを聴いたときに、この調子でいけばすごいかもとおもったが、結局それをやったのはこのJAMES BLAKE でしたね。しかも自分自身で全部やっちゃった。
なにしろこの音楽がダブステップの中から出てきたってのがすごいとおもう。去年出した”CMYK”を聴いた時には、こんなかんじで高みにのぼってアルバム出すのかなとおもったけど、実際アルバム聴いてみたらびっくり。ぜんぜん違うんで。でもいいですよ。もっとなんかシンガーソングライターのアルバムっぽい。アルバムの雰囲気は閉塞感たっぷりですが、すごく開かれてるかんじがしますよ。ダブステップはもちろん、刺激的なR&Bをもとめている人たちにもうけそうだし、ROCKでいえばRADIOHEADあたりが好きなひとあたりにはドンピシャだろうし、もしかしたらDavid Sylvian好きあたりにもうけるかもしれない。いっきに視界が開けたかんじがします。
まぁわたしがいわなくても、今年の最重要作のひとつだろうし、もしかしたら後世にのこる作品かもしれないですね。まだポピュラーミュージックというものが、あらたに更新しつづけているのだとしたら、最先端に位置するものでしょう。
なにも新しいことをやるのは、いつも若い者だけとはいわないが、この22歳のあたらしい才能はものすごいステップで踏み込んできたとおもうし、やっぱりそういうのが若いっていうのかな。このJAMESの作るトラックは”ゆがみ”というか”ひずみ”をかんじるが、全然ジャンルはちがうが、同じような歳で出てきた神聖かまってちゃんのサウンドにも、やはり”ゆかみ”みたいなものをかんじる。JAMESは理知的のそれをやっていて、かまってちゃんは体現してやってるかんじ。まあどちらもすなおにやってるだけなんだろうけど。いまの時代すなおにやろうとすればするほど、サウンドは歪んでくのかも知れない。
やっぱ今どきこぶし振り上げて、がんばろうーなんていってる音楽のほうが、やっぱちょっとズレてるとおもったほうがいいよ、ね。